「おむつに頼り過ぎない排せつケア」をテーマに、シンポジウム「保育所だからできる!おむつなし育児」が21日午後1時半〜午後4時半、東京都府中市の市生涯学習センターで開かれる。乳幼児と高齢者にできる限りおむつをしないでトイレで排せつさせ、保育や介護の質を上げた保育園や特別養護老人ホームの事例を報告。家庭での育児や介護にどのように役立てられるかを探る。

 「おむつなし育児」とは、乳児の頃から極力トイレやおまるで排せつさせる昔ながらの育児を現代的な呼び方にしたもの。主催はここ数年、おむつなし育児を研究対象としてきた津田塾大学の三砂ちづる研究室。



おむつなし育児の実践の様子。乳児のお尻を抱えてトイレで排せつさせる=おむつなし育児研究所提供

おむつなし育児の実践の様子。乳児のお尻を抱えてトイレで排せつさせる=おむつなし育児研究所提供


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 おむつなし育児研究所の和田智代所長によると、赤ちゃんはおなかをたたいたり、じっと大人を見つめたりして、排せつの欲求を周囲に伝えている。こうしたサインを大人が感じ取り、タイミングよくトイレに連れて行く。繰り返すうちに、おもらしをしなくなって眠りが深くなり、機嫌よく過ごす時間が長くなる。認知症の高齢者の場合も同様で、うろうろするような排せつのサインを職員が見逃さず、そのタイミングでトイレに連れていく。最初は手間がかかるが、やがて24時間おむつだった人が昼間はパンツで過ごせ、徘徊(はいかい)などの問題行動が激減するという。

 当日は、横浜市の山元町保育園と熊本県水俣市のはつの保育園の各園長らがパネルディスカッションで乳幼児への実践の様子を語る。和田所長は、東京都内の特別養護老人ホーム「きたざわ苑」(世田谷区)と「駒場苑」(目黒区)での認知症の高齢者への実践を聞き取り調査した結果を報告する。白梅学園大学の汐見稔幸学長が特別基調講演する。


引用元:
おむつなし育児:21日にシンポ 高齢者介護の事例も(毎日新聞)