■企業回り合コン/大学生に講座
「加入してもらった会社で婚活パーティーなどを開いていきます。社員に結婚して安定した生活を送ってもらうことは企業にとってもいいことだと思います。協力してもらえませんか」
今年度中に出生率の目標を決める予定の徳島県。県こども未来・青少年課の担当者は昨年10月、徳島市の繊維機械部品メーカー・寺内製作所を訪れた。県が設立する「企業婚活支援ネットワークセンター」に参加してもらうためだ。
男性が多い会社と女性が多い会社の間で「合コン」を設定するなど、参加企業の社員同士の出会いの場をつくる試みだ。同社の寺内靖之社長は、人口減対策としては子育て支援が重要という考えを県に伝えつつ、「工場は男性職場で出会いがない、という声をよく聞きます。彼らの役に立つなら」と快諾した。
担当者らは昨秋、協力を呼びかけるための企業回りに奔走した。そのかいあって、1月20日現在で企業、病院など83社・団体が参加を決めた。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、徳島県の人口は2010年の約78万5千人から40年に57万1千人に、14歳以下の人口の割合も12・3%から9・2%に減るとされている。13年の出生率は1・43だった。
進学や就職時に都市に出て行く若者が多いため、婚活支援を「特効薬」と県が考えているわけではない。担当者は、若者に県内にとどまってもらうため、就職対策、そして子育て環境の整備に重点を置いていくという。
「やれることは何でもやる。増やさないまでも減るのを止めなあかん、せっかくの徳島の自然や産業を守らなあかんという一心」と担当者は言う。
大学生の段階から、県内での結婚や出産を前向きにイメージしてもらおうと考えるのが、秋田県や静岡県だ。
出生率目標1・45を掲げる秋田県の人口は、10年までの5年間で約6万人(5・2%)減った。秋田経済研究所の片野顕俊研究員は「18〜24歳の若者が進学や就職で県外に出てそのまま生活するという状態が続いてきた」という。
地元にとどまる選択の参考にしてもらうため、県は今年度、県内11大学・短大で、結婚や子育てを含む人生プランを考える講座を開いている。
出生率2を目指す静岡県は昨年秋、静岡英和学院大とともに「静岡県だからこそもう一人産んでみたくなる」をテーマに、ワークショップを実施した。子育て中の親子を大学に招き、第2子、第3子を産むのに必要な支援を聞き取り、学生自らが考える企画だ。担当する県健康福祉部は「結婚や出産を身近に感じてもらうきっかけになれば」と話す。
引用元:
広がる「出生目標」:下 自治体「地域守るため、何でも」(朝日新聞)