県は人口減対策の一環として、総額6014億円の2015年度一般会計当初予算案に特定不妊治療(体外受精・顕微授精)の助成費1億2751万円を盛り込んだ。男性の治療に特化して治療1回につき10万円を補助する制度の新設が柱で、9日開会の県議会本会議に提出する。県は積極的な利用を勧めるが、効果はどの程度見込めるのだろうか。
「男女合わせると、日本でトップクラスの不妊治療になる」――。県議会に予算案を説明した2日、佐竹知事はこう強調した。
県は従来、特定不妊治療に取り組む夫婦の経済的負担軽減のため、国とともに治療1回につき15万円を補助してきた。2012年度からは、県指定医療機関の秋田大学医学部付属病院の治療費(体外受精)を参考に、独自に5万円を追加して20万円に増額し、国の補助がない11回以上の治療にも20万円(最大15回)を補助している。新年度からは、これに男性の治療費だけを対象として10万円を追加。夫婦で治療を受ければ、最大30万円の補助となる。
補助増額の効果もあり、12年度以降、制度の利用件数は急増し、11年度の329件から12年度は529件に、13年度は603件と2倍近くになった。県健康推進課はプライバシーの観点から、治療後に出産したか否かは把握していないが、「12年に生まれた赤ちゃんの3・7%が特定不妊治療を受けた夫婦の子供」という日本産婦人科学会のデータを基に、「治療を受けた人が増えた分、県内でも出生増につながっているのではないか」と推測している。
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男性の治療への補助拡充について、県指定機関では秋田大に次いで制度利用件数の多い清水産婦人科クリニック(秋田市)の清水靖院長は「無精子症などの治療が対象で、受けられる人は多くはない」としながらも、「無精子症の場合、自力で子供を授かるのは難しいが、治療を受ければ子供を持てる可能性はある」と指摘。無精子症などの男性の特定不妊治療の成功率は20%ほどあるといい、「県内の出生数を増やす可能性を上げるには、男性の不妊治療は重要だ」と話す。
一方、県が新年度、男性の補助拡充に踏み切った背景には、16年度からの国の補助制度変更がある。今は補助対象に年齢制限はないが、変更後、妻が43歳以上の場合は対象外になる。同課は「不妊の原因は男女のどちらにあるかわからない。男性が積極的に治療を受けることで、少しでも妊娠の可能性を高めてほしい」と話している。
引用元:
[検証県予算]夫にも不妊治療補助(読売オンライン)