有効とされる糖尿病薬よりもオルリスタットが副作用少なく

多嚢胞(たのうほう)性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣の中にたくさんの卵胞ができてうまく排卵できない状態のことを言う。

 肥満薬の「オルリスタット」という薬が副作用の頻度が少なく有効である可能性があるようだ。

 インドのカストゥルバ医学大学の研究グループが、人間の生殖に関わる全分野を対象とする国際誌、ジャーナル・オブ・ヒューマン・リプロダクティブ・サイエンス誌2014年10-12月号で報告した。

不妊の原因として注目
 多嚢胞性卵巣症候群は、月経不順や無月経、肥満などを伴い、最近では不妊の大きな原因の一つとして注目されている。肥満と共に症状が進行するので、肥満への対処が治療の大きな柱となっている。

 この研究では、従来、有効性が分かっている糖尿病薬のメトホルミンとの間で肥満薬のオルリスタットを比較。体重減少と排卵率について比較をした。

 PCOSの女性90人を、無作為に3グループに分けた。一つは、オルリスタットを使うグループ、もう一つはメトホルミンを使うグループ、さらに、薬を使わずに生活習慣の改善を進めるグループだ。3カ月間の治療を行い比較した。

オルリスタットの副作用の頻度が少ない
 各種のホルモンについては、3グループの間で統計学的に意味のある差はなかった。具体的には、「総テストステロン」「血清ホルモン結合グロブリン」「遊離アンドロゲン指数」「デヒドロエピアンドロステロンサルフェイト」。

 オルリスタットとメトホルミンとも「体重」「BMI」「胴囲」などを減らすのに有効だった。オルリスタットの方が副作用は少なかった。

 排卵率は、オルリスタット・グループ33%、メトホルミン・グループは23.35%と、統計学的に意味のある差ではないものの改善傾向が見られた。

 オルリスタット・グループでは脂質異常の状態を改善する効果があった。

 受胎率は、オルリスタット・グループ40%、メトホルミン・グループ16.7%、コントロール・グループ3.3%。

 研究グループは、副作用が少なく、メトホルミン並みの排卵率になるのが有望とまとめている。

 日本ではオルリスタットは使われていないが、場合によっては注目されるかもしれない。



引用元:
不妊の原因に朗報、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に肥満薬に効いた(Medエッジ‎)