民間の認可保育所が障がいのある子どもを受け入れる際、茨城県内44市町村のうち34市町が保育士の人件費などの補助制度を設けている一方、自治体間で1か月当たり数万円の差があることが、読売新聞の調べでわかった。
ケアが必要な子どもに対して保育所側が十分な人員や設備を整えられないため、保護者が希望しながら子どもを受け入れてもらえない場合もあり、制度の充実を求める声も出ている。
読売新聞が行ったアンケートによると、今年1月現在、34市町が「制度あり」と回答した。補助の基準、条件は自治体によって異なるが、1か月ごとに、預かった障がいのある子どもの人数に応じて補助し、障がいの程度によって金額に差を付ける場合が多い。軽度であっても常に付き添いが必要な子どももいることから、笠間市や那珂市のように、増員した保育士の人数に応じて補助するケースもある。
補助金は、1か月当たり3万円前後に設定している自治体が多い。しかし、保育所側からは、保育士を新たに雇う場合の人件費を補うには十分とは言えないとの声も聞かれる。
障がいのある子どもを受け入れている県南のある保育園。受け入れる際、各クラスの配置を変え、新たな保育士を雇ったが、人件費の負担は重く、教材費を切りつめずに運営を続けるのに必死だという。園長は「子どもには保育を受ける権利がある。運営は難しいが、その都度、園内で相談し合い、受け入れていくことになると思う」と話す。
一方、民間の認可保育所がない美浦村と河内町を除き、残りの8市町村は制度を設けていない。「財源の確保が難しい」との理由を挙げる自治体もあるが、「公立の保育所で出来るだけ受け入れる」「公立の認可保育所に保育士を増やして対応する」という回答もみられた。保育士不足で募集したとおりに人手が集まらない場合もあるという。
国は新年度から、待機児童の解消などを目指し、「子ども・子育て支援新制度」を始める。政府が1月に閣議決定した新年度予算案では5189億円が充てられ、地域の療育支援を行う保育士や補助員を雇う場合、国が人件費の一部を補助する制度が盛り込まれた。これに伴い、県内の自治体には現在の制度を廃止したり、見直したりする動きも出始めている。
障がいのある子どもの保育に関して、東京学芸大学の菅野敦教授(特別支援教育)は、「支援には地域格差があり、自治体の財政事情に左右されがちだ。保育所が十分な補助を受けられない場合、障がいのある子どもの受け入れに影響が出る可能性もある」と話し、支援を充実させる重要性を指摘している。
引用元:
障がいある子受け入れ、保育所補助に自治体で差…茨城(読売新聞)