抱っこひもを使用中に赤ちゃんが落下する事故が後を絶たないことから、東京都は利用者に対し、付けたり外したりする際は低い姿勢で行うなどと、注意を呼びかけている。

 都商品等安全対策協議会などの調査によると、抱っこひもやベルト、スリングなどからの転落事故は、2009年から14年6月までに117件。このうち頭蓋骨骨折などの重症事故は27件で、月齢4か月以下に集中していた。

 前かがみなどメーカーが推奨しない姿勢を取ったり、ひもが緩い状態で装着し、赤ちゃんとの間に隙間が生じたりした際に、赤ちゃんがすり抜けた事例が多かった。人形を使った再現実験でも危険性が判明した。

 同協議会が14年12月にまとめた報告書では、抱っこひもの利用者向けに事故防止のポイントを紹介している。〈1〉おんぶや抱っこをする時や降ろす時は、立ったまま行わず、椅子に座るなど姿勢を低くする=イラスト=〈2〉短時間の使用でも、留め具が留まっているか、ひもが緩んでいないかを確認〈3〉前かがみになる時は、赤ちゃんの体を手で支え、ひざを曲げたり腰を落としたりして、頭が下向きにならないようにする――などと注意喚起する。

 報告書は、東京くらしWEB(http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/)でも公開している。

 都は、抱っこひもの製造・販売業者に対しても、赤ちゃんの体を確実に保持できる構造を取り入れるよう要望。これを受け、製品の安全性を保証する「安全商品(SG)マーク」を管理している一般財団法人製品安全協会(東京)は、今春にも抱っこひもの安全基準の改正を予定している。

(2015年2月4日 読売新聞)



引用元:
抱っこひもから落下事故…着脱姿勢など都が注意喚起(読売新聞ヨミドクター)