母親の遺伝子の変異が原因で子どもに伝わる病気を避けるため、イギリス議会は体外受精の際に別の女性の卵子などを利用する治療法を世界で初めて承認し、3人の遺伝子を引き継ぐ子どもが生まれることから生命倫理の面で議論になりそうです。

細胞の中でエネルギーを作り出すミトコンドリアの遺伝子は、母親から子供に引き継がれますが、母親の遺伝子に変異があると子どもは脳や心臓などの重い病気になることがあります。
こうした病気を避けるには、母親の卵子の核を移植した別の女性の卵子を使って体外受精を行うなどの治療法が有効だとされています。
イギリスの議会下院は3日、この治療法を世界で初めて承認し、イギリスのメディアは早ければ年内にも、この治療法が実施され、イギリスで年間およそ150人が治療の対象になりえると伝えています。
ミトコンドリアの遺伝子が子どもの遺伝的特徴に与える影響は、ごくわずかだとされているものの、この治療法で生まれる子供は3人の遺伝子を引き継ぐことになります。
将来的には第3者の遺伝子を使って子どもに、親が望む容姿や学習能力などを持たせることに道を開きかねないとして反対意見も根強く、生命倫理の面で議論になりそうです。


引用元:
英 別女性の卵子利用の治療承認(NHK‎)