和歌山県みなべ町は、4月から放課後に留守宅児童を預かる「学童保育」の対象年齢を拡大するため、同町北道にある南部小学校内に南部第二学童保育所(仮称)を整備する。2日に開かれた町議会臨時会で、同小にある空き教室を改修するための費用を盛り込んだ一般会計補正予算案が可決された。町は「子育て支援のために希望者全員を受け入れたい」と話している。

 県子ども未来課によると、子ども・子育て関連3法が4月に施行されるのに伴う児童福祉法の一部改正により、学童保育の対象が従来の1〜3年生に当たる「おおむね10歳未満」から「小学生」全体へと拡大。国はニーズに応じた対応を各市町村に求めているが、受け入れ態勢の面で課題を抱える自治体もあるという。

 この日の議案審議では、小谷芳正町長が「南部小では子育て充実の一環として学童保育事業をしているが、新年度は定員50人対して79人の申し込みがあった。そこで子育て支援の面からも、空き教室を改修して学童保育所として4月から全員の受け入れをしたい」と説明。補正予算案には工事請負費や備品購入費などとして395万円を計上した。

 町教委によると、対象児童が従来の3年生までから6年生までとなることで、4月の入所予定児童数は通年66人、長期休暇中13人の計79人の申し込みがあった。規則では定員を50人としており、定員を大幅に超過することになったという。

 南部第二学童保育所は特別教室棟2階にある旧図書室を改修する。現在の床はコンクリートの上にパンチカーペットを敷いているだけだが、この上に床を組んでフローリングにしたり、流し台などの給排水施設を設けたりする。

 具体的な運用については、町教委の小谷昇一教育次長が「(通年の)申し込みを見ると5、6年生がなくて4年生8人の申し込みがある。指導員とも話して1年生と3年生は現在の施設で、今回新しく改修する施設に2年生と4年生を予定している」と述べた。

 補正予算にはこの他、紀州備長炭の原料となるウバメガシなどに穴を開けてしまうカシノナガキクイムシ対策として、伐倒駆除するための経費(42万円)なども盛り込んでいる。




【南部第二学童保育所(仮称)を設置する南部小学校の空き教室=2日、和歌山県みなべ町北道で】

(2015年02月02日更新)

引用元:
対象年齢拡大で南部第二学童保育所を新設 みなべ町(紀伊民報)