Q 5歳の男の子がいます。他の親子と一緒にいるときなど、必要以上にわが子を叱ってしまいます。わが子に我慢をさせ、他の子を優先させることも多く、自分でも困っています。本当は大好きで、一番の味方でいたいのに。

 A 本当はわが子が大好きなのに、人と一緒にいるときは必要以上に叱ったり冷たくしたりしてしまうのですね。ご心配なく。そういうお母さんは大勢いますよ。そんなお母さんは子供が小学校へ行くと、お子さんが毎日勉強を頑張り、自分もそれを認めているのに、他人の前では「全然勉強しないで困っている」など、心にもないことを言ったりすることもあります。

 はたから見れば謙虚な母親に見えますが、実はその反対である場合も多いような気がします。つまり、本当は「わが子がかわいい」「わが子はいい子だ」「わが子にはいつもいい思いをさせたい」と人一倍思っているのに、それを悟られまいと、人前では真逆のことをしたり言ったりするというわけです。だから「うちの子はダメなの」などというお母さんは、「ホント、ダメですねえ」などと同調されると、怒り出すこともあります。実際はそう思っていないからです。
 一番気の毒なのは子供です。人前で叱られ、いつも後回しにされる。自分はお母さんから愛されているのだろうか、と真剣に悩むかもしれません。とんでもない誤解ですよね。

 わが子が大好き。私はわが子の味方。そんな本心を人に悟られてもいいじゃないですか。親バカ結構。私は親バカぶりを発揮するお父さんお母さんには、ほほえましささえ感じます。子供も愛されている喜びを感じ、親への信頼感を募らせます。

 どんなにかわいがっても、子供は10歳くらいになると、親よりも仲間に従い、親から離れようとします。それまでは自分の本心に素直に従って、お子さんを大切に育ててほしいと思います。大丈夫、みんなには伝わりますよ。あなたが素晴らしいお母さんであるということは。

(こどもコンサルタント 原坂一郎)


引用元:
【子育て相談室】“2人の自分”に困惑…人前で息子に「激怒」、本当は「一番の味方」でいたいのに…