中国の人工妊娠中絶率は依然として高く、性教育の実施方法に疑問が投げかけられている。


 国家衛生計画出産委員会の傘下組織関係者を引用した国営英字紙チャイナ・デーリーによると、年間で推定1300万件の中絶が行われている。中絶件数は特に16歳未満で増えていると報告する病院もある。同紙は天津の病院に勤務する医師の話として、地元の中絶件数が毎年増えており、前年比で30%増に達することもあると伝えている。


 同紙によると、問題は不適切な性教育にあると専門家は指摘している。13歳から24歳までの中絶を望む女性たちの多くが正式な性教育を受けておらず、「経口避妊薬や女性用避妊具のことを知らない」と、非政府組織(NGO)マリー・ストープス・インターナショナルのリプロダクティブヘルス専門家グオ・ミン氏は話している。


 さらに同紙は専門家の話として、多くの病院が中絶を痛みのない、簡単な施術だと宣伝し、女性たちを誤解させていると伝えている。多くの女性は中絶が将来の生殖能力に影響を及ぼす可能性があることを自覚していないと専門家は指摘しているという。


 中国政府が人口抑制のために一人っ子政策を導入した直後の1980年以降、選択的中絶や強制中絶も行われるようになり、同国の中絶率は高いまま推移している。地方政府が頻繁にコンドームを配布するなど、中国では家族計画が当たり前のことになっているが、それは婚姻関係にあるカップルに焦点が当てられており、若い未婚女性たちは見過ごされている。


 公式発表では全般的な中絶件数は減少傾向にある。冒頭の記事とは別にウォール・ストリート・ジャーナルが調べた国家衛生計画出産委員会の統計資料によると、1982年に病院で行われた中絶は1240万件だったが、最も新しいデータの2012年は670万件だった。


 一人っ子政策の緩和が中絶率にどう影響しているかは不明だ。政府は2013年、一人っ子政策の緩和に動き、夫婦のどちらかが一人っ子の場合、夫妻は2人まで子供が持てるようになった。


引用元:
中国の中絶「年1300万件」、性教育に問題か(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版)