子ども向けの「足育(あしいく)」という考え方が芽生えている。発育の土台とされる足だが、トラブルも目立つという。そんな現状に気づいた子育て中の女性が手探りで研究し、提唱している。健やかな成長を願い、正しい知識や靴選びを伝える。
大和郡山市の玉島麻理さん(50)。5年前、当時小学1年の長男の足を見て驚いた。小指が付け根から内側に曲がっていた。「内反小趾」という症状だ。気になって近所の子の足を見てみると、多くの子に何らかの変形があった。土踏まずがない扁平(へんぺい)足。親指が内側に曲がった外反母趾(ぼし)。5本の指がしっかり地面につかない「浮き指」……。
母親仲間と勉強会を始めた。フットケアの通信教育を受け、足のトラブルを扱った本や資料を片っ端から読んだ。外遊びの少なさや、合わない靴が足の変形を引き起こすと考えられていること。将来、背骨のゆがみや腰痛、肩こりにつながり得ること。様々な恐れに思い至り、がくぜんとした。「大変だ。こんなことを教えてくれる場所はなかった」
保健所での乳幼児健診や保育園・幼稚園での身体測定で「足のチェック」も、と教育委員会や園にかけあったが、相手にされなかった。でも、幼いころからよく歩き、外で遊ぶ大切さや、正しい靴の選び方を子育てサークルなどで地道に説くうちに、各地の園や小学校から声がかかるように。助産院や養護教諭の研修会で話すこともある。
ただ、自分たちだけで伝えるには限りがある。各地に“伝道師”を増やそうと2年前、NPO法人「日本足育プロジェクト協会」をつくった。
養成講座では、発達学や解剖学の視点から子どもの足を考え、靴の専門家の話を聞く。県内や東京で開いた講座には、保育士や看護師、義肢装具士といった様々な立場の人が集まる。遠く北海道や沖縄からやってきた人も。これまでに33人が認定アドバイザーになった。
「足裏は刺激を脳に伝える感覚器で、スイッチがついている」と玉島さんは説く。「座った時に、ぴったり地面につけると、集中力が高まるとの報告もある。赤ちゃんの時から、しっかり足を床につけることが大事。食育が定着したように、『足育』が多くの人に広まれば」
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協会は2月1日、奈良市のイトーヨーカドー奈良店4階で公開講座を開く。高齢者の足育(午前10時半)▽正しい靴の選び方・履き方(正午)▽子どもの足育(午後1時半)▽正しい歩き方(午後3時)――のテーマで専門家が話す。無料。爪や角質などの手当て、フットマッサージ、足の計測などを受けられる有料の相談ブースも。問い合わせは協会(0743・85・6088)へ。ウェブサイトはhttp://ashiiku-pj.com/。(栗田優美)
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■靴を選ぶポイント
○底がしっかりしていて、縦によじれないか
○つま先が曲がるか
○かかとがしっかりしているか
○靴の中で足が滑らないか
○中敷きを出してその上に足をのせ、指がはみ出さないか
(玉島さんによる)
引用元:
奈良)子どもの足守れ 大和郡山の玉島さん「足育」研究(朝日新聞デジタル)