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ひつぎ代わりのかごと、おくるみや肌着を添えた葬儀セットを見せる、宮崎天使ママの会の黒木啓子代表


 流産や死産、新生児死で亡くなった赤ちゃんを手厚く見送ってあげようと、宮崎県内の女性ら約30人でつくる「宮崎天使ママの会」は、紙製のクラフト用バンドで作ったひつぎ代わりのかごに、おくるみや肌着を添えた葬儀セットを有料で提供する活動をしている。

 きっかけは、会の代表を務める黒木啓子さん(46)=宮崎市=が約10年前に妊娠8カ月で娘を死産した経験だった。悲しみに暮れる黒木さんに病院の看護師は「葬儀に用意できる入れ物は、薬の空き箱です」と告げた。葬儀社からひつぎを調達したが、病院の対応への疑問は残った。

 平成18年10月、死産と新生児死を経験した女性2人と「同じような境遇の女性が本音で話せる場がほしい」と会を設立。個別相談や座談会を開くと「100円ショップで入れ物を買うように言われた」など病院への不満が相次いだ。長さ約30センチのひつぎを用意している葬儀社はあるが、胎児など小さいサイズに合わせたものは、ほとんど提供されていない。

 黒木さんは一昨年12月、友人の主婦に依頼し、長さ21・5センチ、28センチ、40センチの3種類のかごの製作に取りかかった。昨年7月に提供を始め、約20セットを発送。利用者の一人からは「死を乗り越え、次に進むきっかけをもらえた」と感謝された。

 対象者は基本的に県内在住者に限っている。黒木さんは「全国で活動が盛り上がってほしい」と話し、活動を始めたい人がいればマニュアルを提供し、協力するという。値段は材料費のみで、かごの大きさに応じ1セット800〜千円。バラ売りにも対応できる。問い合わせは同会(電)0985・39・1217。


引用元:
赤ちゃん手厚く見送り 宮崎の団体が葬儀セット提供(産経ニュース)