長野県の大町市立大町総合病院は21日、医師不足により産婦人科の産科診療を3月末で休止すると発表した。2人いる産婦人科医のうち1人が病気の長期療養のため22日に退職することになったが、代わりの医師を確保できず「医師1人では安全な出産医療の確保が困難」としている。同病院の産科休止により、大北地方では出産を受け入れる病院がなくなる。県医師確保対策室によると、県内10の広域圏で産科がなくなるのは初めて。

 同病院によると、産婦人科医師2人は、信州大学医学部(松本市)が常勤で派遣している。医師1人の退職後、信大医学部は常勤医師の派遣はしないものの、非常勤の医師1人を別に派遣し、残りの常勤医師1人と合わせて分娩(ぶんべん)を3月上旬まで、妊婦健診は同月末までそれぞれ続ける。残る常勤医師1人も3月末で退職する予定。4月以降、婦人科の外来診療は信大医学部から派遣された非常勤医師によって週1、2回受け付ける。

 同病院では現在、出産予定の妊婦33人が診察を受けているほか、約100人の妊婦が健診を受けている。出産予定の妊婦のうち、3月上旬以降が出産予定日の21人と健診を受けている約100人には、助産師らが要望を聞いた上で安曇野市や松本市、長野市などの病院を紹介する。

 大町総合病院では2013年度に199人が出産し、うち約20人が緊急の帝王切開で出産した。緊急搬送されてくる妊婦もいるという。病院側は休止を決めた理由に、常勤の医師1人だけでは帝王切開や緊急搬送などに十分対応できないとしている。

 同病院の井上善博院長によると、常勤の医師2人が確保できれば産科の再開は可能だが、「全国的な産婦人科医不足の中で、確保のめどは立っていない」という。大町市の牛越徹市長は「安心して出産できる医療環境は何よりも大切。産科が再開できるよう、県や信大に支援をお願いしていく」としている。

引用元:
大町総合病院、産科休止へ 大北地方の出産受け入れ病院なくなる (信毎web)