◆県の窓口、5か月目で8件

 「望まない妊娠」に悩む人からの電話相談を受け付ける県の窓口「妊娠SOSやまと」(046・261・2948、内線42)の利用件数が低調だ。モデル事業として昨年9月に開設されたが、利用件数は22日現在でわずかに8件。県は「周知不足が原因。1人で悩まないで相談して」と呼びかけている。

 「10代の娘が妊娠したが中絶費用がない」「妊娠したことを夫に伝えたら嫌な顔をされた」「避妊に失敗した。どうしよう」

 電話口の向こうから聞こえてくる女性やその家族らの悩みは深刻だ。

 40年近く保健師をしている相談員の畠中晴美さん(60)は「電話してくれてありがとう」と優しく語りかけながら、家族が妊娠を歓迎するようになる方法がないかを一緒に考えたり、中絶費用について説明したりしている。安易に中絶を勧めるのではなく、妊娠や出産の不安について丁寧に相談に応じ、「望まれる出産」になるよう促すことが基本方針だ。

 妊娠SOSは、相次ぐ児童虐待を未然に防ごうと開設された。

 厚生労働省が昨年9月に公表した調査結果によると、2012年度に虐待で亡くなった子どもの4割が0歳児だった。また、県が所管する5児童相談所で、13年度に受け付けた児童虐待の相談・通告件数は、過去最多の2484件に上り、被害者は0〜6歳児が全体の4割を占めた。

 県健康増進課は、虐待を受ける子どもは、経済的に苦しかったり、パートナーの理解を得られなかったりして「望まれない」状態で生まれたケースが多いとみており、電話相談で出産前から家庭環境の改善を図ることを大きな目的としている。同課によると、妊娠に特化した電話相談窓口は県内ではここだけという。

 窓口は、県厚木保健福祉事務所大和センター内に設置され、保健師3人が日替わりで相談に応じている。

 県はこれまで、ホームページでの告知や、駅でのポスター掲示などで周知を図ってきたが、今後はショッピングセンターや駅のトイレ個室内に名刺サイズの周知カードを置くなどのPR強化策を検討している。

 厚労省の調査によると、県内の中絶件数は1万1152件(13年度)で、東京、大阪に次いで、全国で3番目に多い。畠中さんは「悩みを抱え込まないで、勇気を出して電話してほしい」と話している。

 相談の受付時間は、2月26日までの水、木曜(午前9時〜正午、午後1時〜4時)。(岩島佑希)


引用元:
「望まぬ妊娠」の相談低調(YOMIURI ONLINE)