年が明けて一つ年を取りました。小さいころ「おめでとう!」と言われたことを覚えています。まだ誕生日は来ていないのに一つ年を取るのです。

 満年齢とは、生まれた年を0歳として数え、以降、誕生日を迎えた時に1歳を加えます。一方、数え年は、生まれた時を1歳とし、1月1日を迎えるごとに加齢していきます。「0歳」という考え方がありません。

 これは仏教圏特有の考え方です。元日に年神様をお迎えし、皆がありがたく一つずつ年をいただきます。元日にいただく「お年玉」は、実は「年の魂」のことなのです。すなわち「数え年」=「年の魂」の数え方なのです。数え年が生まれた時点で「1歳」とする理由は「胎内にいる時間」を「0歳」とするからです。

 お母さんのお腹に宿った時は「針の穴」くらいの大きさでした。お腹の中で活発な細胞分裂を繰り返し、人としての生命を育んでいきます。お母さんとともに日々生きています。そして、10カ月が過ぎたころ、産道を通って頑張って胎外に姿を現します。お産はお母さんが頑張るのはもちろんですが、赤ちゃんも狭い産道を通過する時に苦しい思いをします。出産は母子で行う初めての共同作業です。

 お母さんとお腹の中の赤ちゃんは話ができます。話しかけるとぐるっと動いたり、ポコポコと蹴り返したりして返事をしてくれます。いのちが芽生えた時が「0カ月」、お腹の中で10か月過ごし、生まれた時が1歳。「やっと会えたね、生まれてきてくれてありがとう!」と声をかけてあげましょう。

 全ての子どもたちが愛されて育てられ、幸せな一生を送っていけますように、今年もお祈りいたします

引用元:
抱いて、見つめて、話しかけて (タウンニュース‎)