思わぬ2つの感染症に関係があるのではという可能性が浮上している。
最近日本でも流行が問題になっているRSウイルス感染症と、肺炎の主要な細菌である肺炎球菌による感染症だ。
米国の公衆衛生学と疫学の研究グループが、国際的なオンライン医学誌プロス(PLoS)メディシン誌で2015年1月6日に報告した。
2歳までに感染するRSウイルス
RSウイルスは、子どもたちのほとんどが2歳までに感染を経験する。
通常は比較的軽い風邪に似た症状を起こす感染症だが、時に肺炎や敗血症、髄膜炎に発展することもある。
このウイルスの感染症が、細菌による肺炎と関係するかもしれないという。
ちなみに、細菌はさまざまな機能を中に保つ細胞を持つのに対して、ウイルスは細胞の形を取らない。大きさもウイルスが圧倒的に小さく、1000倍から1万倍ほどの差がある。
肺炎球菌のワクチンでRSウイルスも激減
研究グループは、米国の州ごとに管理されている入院データベースを利用して分析した。
このデータベースによると、1992年度から2008年度にかけて、36州で70万人以上がRSウイルス感染により入院。1万6000人以上が肺炎により入院していた。
RSウイルス感染症と肺炎球菌性肺炎の動向は、明確に同じパターンを描いていた。
1歳以下の子どもでは、肺炎球菌性肺炎の症例の約20%がRSウイルスの活動と関連していた。
1歳〜2歳の子どもでは、肺炎球菌性肺炎の症例の約10%がRSウイルスの活動と関連していた。さらに、インフルエンザと肺炎球菌性肺炎の増加も関連があった。
肺炎球菌のワクチンである「PCV7ワクチン」接種の導入後には、1歳以下の子どもたちのRSウイルスによる入院は激減した。
RSウイルスと確認しても細菌も疑う
RSウイルス感染症と肺炎球菌感染症がまるで手をつなぐように一緒に起こっているわけだ。
「RSウイルス陽性と診断された場合でも、肺炎を起こした子どもに細菌による2次感染の可能性がある」と研究グループは指摘する。
もっともむやみにウイルスから細菌の治療を始めるわけではない。どう判定すれば良いかと考える必要性についても研究グループは触れている。
お互いがいわば協力関係にあるとすれば厄介なものだ。
文献情報
Weinberger DM et al.Association between Respiratory Syncytial Virus Activity and Pneumococcal Disease in Infants: A Time Series Analysis of US Hospitalization Data.PLoS Med 2015;12: e1001776.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25562317
引用元:
RSウイルス、肺炎球菌ワクチンで激減、両者は協力関係?米国グループ報告(Medエッジ)