中国安徽省の公立病院で、1歳の男児が腹部の超音波検査を受けたところ、あり得ない診断結果が出た。男児の父親を仰天させたその内容は、何と“妊娠”だった。

 「1歳男児が“妊娠”」のニュースは安徽省の地元紙、新安晩報が報じ、中国共産党機関紙、人民日報のニュースサイトなど、主要メディアも転伝した。 

 それらの報道によれば、安徽省宿州市に住む胡さんは昨年末、熱がなかなか下がらない1歳の息子を宿州市立病院に連れていったところ、喉頭炎、肺炎などと診断された。1月に入って、男児が突然落ち着きをなくし、泣き止まなくなったので、再び受診。すると、主治医は「おなかが少し張っている」として超音波検査を勧めた。

 だが、診断結果を手にした胡さんは思わずぎょっとした。そこには「子宮内で胎児が動いている」と書かれてあり、さらには「妊娠後期」の文字があったからだ。

 手違いで別の患者の診断結果表を渡されたと思った胡さんだったが、男児の姓名や年齢、性別などの情報はすべて正確だった。一方で結果表には、「胎児」の頭囲、腹囲、心拍数などのデータが詳細に記され、超音波検査を担当した医師と、検査結果を確認した医師の2人の署名もあった。

 「何でうちの1歳の息子が妊娠を…」

.怖くなった胡さんは、検査を担当した医師に確認を求めたが取り合ってもらえず、主治医に訴えて、ようやく病院側のミスだと判明したという。 

 「検査結果を出し間違ったというが、どうやってチェックを通ったのか。中身も見ないで、結果を患者に渡しているのか」

 胡さんは地元テレビ局の取材に対し、怒りをぶちまけた。

 病院側は、今回のミスの原因について、コンピューターのシステムの不具合で患者情報と検査結果が一致しなかったと説明。医師の不注意も認めた。

 「その後、病院長が私のところに来て、『医師の仕事はつらいので、理解してほしい』と釈明したが、どんな仕事でも、仕事はつらいものだ。つらいからといって責任を持たないのはだめでしょう?」

 胡さんは新安晩報の記者に対し、医師らに、今回の一件をもって戒めとしてもらいたいと語った


引用元:
1歳男児を「妊娠後期」と診断した中国の公立病院 憤る父親に病院長「医師の仕事は辛いので理解してほしい」(産経ニュース‎)