【旭川】乳がんの手術を5年前に受けた旭川市の山田仁美さん(52)が同市宮下通24の「ギャラリー&喫茶リーフ」で、自身と同じように乳房を失った女性のために作り続けている胸パッドなどの展示販売会を開いている。優しい色使いのパッドのほか、手芸でクリムトの絵画「接吻(せっぷん)」を再現した作品なども展示し、訪れた人の目をひいている。
山田さんは2010年3月、がんが見つかった右の乳房と、転移していた右脇の下のリンパ節と周囲の切除手術を受けた。
胸パッド製作を始めたのは、術後に衣服が縫合部に当たって痛いため、両親が協力して作ってくれたことがきっかけ。父親(80)が型どりを担当、母親(78)が縫って作った伸縮性のある柔らかいパッドは、痛みとともに精神的なつらさも和らげてくれた。
山田さんは、メスの入った利き手の右腕がすぐに疲れて思うように動かせなくなったこともあり「リハビリにもなるし、自分なりにかわいいデザインのものを作ってみよう」と、退院後に作り始めた。
「最初はこっそりと作っていた」が、困っている別の患者を見かねパッドを配っていると、デザインや柔らかさなど注文を受けるようになった。
「自分の作ったものが他の患者さんの心身の痛みを和らげることにつながる」と自信をつけ、家事などの合間に、1日2個のペースで綿のガーゼやポリエステルの布地などを使って作り続けた。「最初は病気のことを話すことが嫌だったけれど、手芸を通じた交流がそんな考えを変えてくれた」と振り返る。
31日まで開催中の展示販売会には、さまざまなデザインの胸パッドに加え、車のシートベルト装着時に胸部への圧迫を減らす専用パッド、マフラー、ビーズのブレスレットなど約100点が並ぶ。「大きさや柔らかさの調整など相談に応じて作り直したり、希望のデザインに応じて最初から作り上げることもあります」
患者同士が語り合う場として、24日午後2時から同店で茶話会も開く。参加費はケーキセット込み800円。展示販売会の問い合わせ、茶話会の参加申し込みは山田さん(電)0166・31・5483へ。(弓場敬夫)
引用元:
乳がん経験者だからこそ分かる痛み、悩み 体も心も癒やす、手作り胸パッド 旭川の山田さん、31日まで展示販売会(北海道新聞)