■お腹の張りとは、必ずしも子宮収縮ではありません

 子宮は筋肉でできています。子宮は、普段はゆるんでいますが、動いたり何らかの刺激で筋肉が緊張すると「キュッ」とかたくなることがあります。これを医学的には子宮収縮といって、一般的には「お腹の張り」といっています。ただ、お腹の張りってどんな感じかよくわからないという方も多いでしょう。

 感じ方は人によって違うようですし、実は「お腹の張り」イコール子宮収縮というわけではありません。それは、おなかの張りとは本人の自覚的によるものだからです。よく調べてみると、張っていると思っても実際は「子宮を支えている靭帯が引っ張られる」「腸の蠕動」「皮膚のつっぱり感」だったりすることも多いことがわかっています。

■妊娠中の子宮は収縮します

 通常は10〜50mlほどしかない子宮の容量は、お産の前には4〜5Lにまでになります。子宮の筋肉がこうして伸展するためには、必ず収縮が必要になります。あなたもジャンプするときに、膝を曲げて屈んでから飛びますよね。これも足の筋肉を収縮させてから伸展させるからです。筋肉には収縮と弛緩(伸展)がセットになっています。また、お産という大仕事に向けて、子宮も準備をしておかなければなりません。だから収縮します。あなたも10ヶ月後にマラソンをしようと思えば、少しずつ練習して走れる距離を伸ばし、足がつったり筋肉痛になったりしながら来るべき本番に備えますよね。

 だから妊娠子宮は収縮します。個人差はありますが、妊娠20週前後から感じやすくなり、30週を過ぎると頻繁に張ると訴える妊婦さんが増えます。お腹の張りは妊娠中のトラブルを見つけるための大切なサインではありますが、ほとんどが生理的で、赤ちゃんへの影響はありません。

■しばらく休んで治まれば大丈夫です

 お母さんが感じた張りが心配なものなのかどうか区別するのは難しいのですが、しばらく安静にしていて落ちつくかどうかが重要なカギになります。

 張っているときはしゃがみ込まなければいられないほどでも、少し休めば治まるようであれば、たいてい心配はいりません。お産に向けて、もっと頻繁に張りを感じるようになるかもしれません。特に10ヶ月になると、1時間に10回くらい張ることも珍しくありません。夜間に張りやすいので心配になるでしょうが、朝には治まっている人も多いはずです。ほとんどが心配ありませんが、気になる場合は産院に電話をして相談してみましょう。

 少し注意が必要なのは、張りだけでなく、おりものに血液が混じったり、熱が出てきたり、張りが規則的に続くとき。そんなときは受診してください。

■お腹が張ったら慌てないで対処しましょう

 まずはお腹の張りの原因をチェックしてみましょう。

□1.お腹が冷えていませんか?

 お腹が冷えると、膀胱も収縮してトイレが近くなります。子宮も同じように筋肉でできているので、張りを感じやすくなります。

□2.お腹を締めつけていませんか?

 腹帯やガードルなどでおなかを締めつけていると、張りを感じることがあります。

□3.疲れていませんか?

 長時間歩き回ったり、立ちっぱなしだったときなど、お腹がよく張ってきます。

□4.ストレスはたまっていませんか?

 ストレスが原因で、お腹の張りを感じることもあります。張りには精神的な影響もあります。

□5.便はきちんと出ていますか?

 便秘がひどくなると、お腹の張りを感じやすくなります。

□6.胎動が激しくありませんか?

 妊娠20週前後でまだ胎動に慣れていないときは、子宮収縮と勘違いすることもあるでしょう。30週前後からは胎動の刺激で張ってくることもあります。いずれも特に心配はありません。

□7.乳首のマッサージをしましたか?

 乳首を刺激すると子宮収縮を促すホルモンが分泌されます。

□8.セックスでオーガスムを感じましたか?

 オーガスムを感じたとき、おなかがかたくなったり、張りを感じることがあります。

□9.その他

原因が見当たらなくでも張ってくることもあります。

■お腹が張ったときの対処法

□1.家では

 しばらく横こなって様子をみましょう。
□2.仕事場では

 横になるのが無理なようなら、トイレの便座にしぱらく座って休んでみてください。

□3.電車内では

 次の駅で降り、ホームのペンチで休憩を。妊娠中は空いている時間、空いている車両への乗車を心がけましょう。
□4.運転中は

 神経を集中させているときに張りはあまり感じないものですが、それでも感じたときは、すぐに車を止めて休んでください。いずれにしても、しばらくして張りが治まってくる場合はまずは心配ないでしょう。

■張り止めの薬で動悸が激しくなることがあります

 「張り」を訴えて病院を受診すると、赤ちゃんは元気か、異常な子宮収縮ではないか、子宮口は開いてきていないか、子宮頸管は短くなっていないか、炎症はないかなどがチェックされます。

 こうした異常がなく、早産のリスクが高くなければ、まず心配ないので様子を見ることになります。そのとき、念のためにと張り止めが処方されることもあります。ただ、張り止めは動悸が激しくなる場合があります。妊娠や赤ちゃんには影響はありまんが、この場合は継続して服用しなければいけないわけでありません。本来、張り止めで早産を予防することはできないからです。薬で陣痛を止めることはできません。張り止めは、どちらかといえば、日常生活や仕事を円滑に進めるために処方されていますので、動悸など不快な副作用が出る場合、服用する意味があまりないからです。ただし、その時は早めに医師に相談するようにしてください。



引用元:
妊娠中の「お腹の張り」とは? 気になる原因と対処法(ヘルス(All About))