三重県は2020年の東京五輪と、地元開催する翌21年の国民体育大会(国体)に向け、15年度から女子選手の競技力向上に乗り出す。女性特有の生理や妊娠・出産に伴う体調管理に対し、専門家による相談窓口を設け、競技に専念できるよう後押しする。文部科学省によると、女子選手に特化した自治体の支援は全国で初めて。
国立スポーツ科学センターの調査では、生理で体調変化を自覚する女子選手は全体の9割にも上る。生理前のイライラや気だるさ、激しい生理痛が競技に影響しやすく、過度な練習や食事制限を繰り返すと、生理不順や不妊症につながるおそれがある。
しかし、相談できず我慢したり、指導者が不調に気付かなかったりして対策は遅れてきた。育児との両立の難しさなどから、出産を機に現役を断念する選手がいるのも課題。相談窓口は定期的に開設し、スポーツ科学専門の大学教授や産婦人科医に助言を依頼する。
具体的な助言内容は、文科省が13年度から始めている支援事業などを参考にする。専門の医師やトレーナーが女子の日本代表選手らを対象に成長期の心身サポートや産前、産後の練習プログラムを提供。生理不順を起こさないための栄養管理や、低用量の避妊薬を用いて試合と生理の時期をずらす方法、妊婦向けのヨガやエアロビクスがあり、県はこうした事例を研究して取り入れる考えだ。
同県は昨年、地元出身でレスリング女子の五輪金メダリスト、吉田沙保里選手の名前を冠した賞を設立し、10代の有望選手を表彰するなど、東京五輪を目指す若手を後押ししている。男子と比べて競技人口が少ない女子は、選手層の底上げが最優先の課題でもある。同県スポーツ推進課では「無理なく競技に打ち込めれば、選手寿命が延びるだけでなく、若手の育成にもなる。試合で最高の結果が出せる環境をサポートしたい」と話している。
(中日新聞三重総局・添田隆典)
引用元:
女子選手の体調を県がサポート 三重、相談窓口設置へ(中日新聞)