乳がんを克服して、ストレスを抱えた状態の人が、瞑想やヨガ、あるいはグループでお互いを支え合うといったストレス軽減に取り組むと、寿命とも関係するとされる「テロメア」の長さが維持されると分かった。

ストレスを軽くする方法
 カナダのカルガリー大学のリンダ・カールソン氏らの研究グループが、がんの専門誌であるキャンサー誌で2014年11月3日に報告したものだ。

 グループを対象とした心理的、社会的なストレスへの対応方法として、瞑想やヨガによってストレスを軽くする方法「MBCR」、感情表現を引き出したり、グループで気持ちを支えたりする「支持的感情表出的グループ療法(SET)」といった方法が知られている。

 こうした方法を取ることで、乳がんを克服した後のストレスを軽くし、ストレスに関係したホルモンである「コルチゾール」に影響を与えると分かっている。

 一方で、寿命と関わりのある「テロメア」は乳がんにも関連しているとされる。テロメアとは、細胞の中の「染色体」の末端部分のことだ。染色体は、細胞の中で遺伝情報を維持している。細胞の成長とともにテロメアはすり減り、短くなると細胞は分裂できなくなる。ひいてはテロメアの長さは人の寿命にも関連すると見られている。

 研究グループは、乳がんを克服した後のストレスへの対応がテロメアの長さにどう影響するかを調べた。

テロメアの長さが保たれる
 検証の対象となったのは、3カ月以上前に治療を終え、ステージ1からステージ3の乳がんを克服した88人の女性。ランダムに3つのグループに分けて、1つのグループは瞑想とヨガのMBCR、1つのグループはグループで支援をするSET、もう1つのグループはストレスを管理する講義を受けるようにした。

 ストレスへの対応をした前後のテロメアの長さを調べるほか、自己申告での心的状態とストレス症状を調べた。

 結果として、瞑想とヨガのMBCR、グループ支援のSETの2つのグループをまとめて、ストレスの管理についての講義を受けたグループと比べると、講義を受けたグループだけでテロメアの長さが減っていると分かった。瞑想とヨガ、グループ支援の2グループではテロメアの長さは変わっていなかった。この変化は自己申告の心的状態やストレスのスコアと関連していなかった。

 乳がんの治療後のストレスの対処方法として、取り入れると良いかもしれない。



文献情報
Carlson LE et al. Mindfulness-based cancer recovery and supportive-expressive therapy maintain telomere length relative to controls in distressed breast cancer survivors. Cancer. 2014 Nov 3. [Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25367403



引用元:
乳がんのストレスを瞑想とヨガで克服、寿命と関わる「テロメア」の長さが保たれる(Medエッジ‎)