体外に卵子を出して精子と受精させ、受精卵を体に戻すのが体外受精。一方で、精子を子宮の中に注入するのは人工受精。比較的複雑な技術を要しないので、日本でも実施されることはある。
人工授精では、精液の影響で子宮収縮が起こっておなかがいたくなることがある。
最近の研究によると、妊娠率を高める結果につながるようだ。
体外受精では子宮収縮はダメ
ポルトガルのバレンシア不妊研究所のビクトール・ブラスコ氏らの研究グループが、2014年10月号に生殖医学の分野の国際誌であるファティリティ・アンド・スターリリティ誌にオンラインで報告したもの。
体外受精時の子宮収縮は良くないことが分かっている。では人工授精時の子宮収縮はどうだろうか。研究グループはその効果を検証した。
研究グループは600人以上の女性を対象として、人工授精時に子宮収縮が起こった場合に妊娠にどう影響するか5年にわたって検証した。
結果として、子宮収縮があると妊娠の確率が1.7倍程度に高まると分かった。
収縮が多いと妊娠率も良い
「子宮収縮は、人工授精後の妊娠率と出生率に大きく関連している。収縮回数が多いと、妊娠率と出生率も非常に高くなる」と研究グループは語る。
研究グループによると、人工授精はその他の生殖医療の技術と比べると成功率は低く、重要性は失われてきた。しかし、複雑さが少ない技術で、幅広く用いられている面もある。
人工授精の成功率は、パートナーの精子を用いた場合には1周期あたり15〜20%。ドナーの精子を用いた場合には25%である。
日本でも参考になりそうだ。
引用元:
子宮収縮で人工授精の成功率が上がる 「収縮回数が多いほど良い」の結果(Medエッジ)